ユングフラウヨッホから下山途中のハイキングコースが閉鎖での代替策
ユングフラウヨッホから下山途中のハイキングが積雪のため予定変更して、ブランデッグからグリンデルワルトまでのコースになったことは前回の記事にまとめた。
前回書かなかったが、たどり着いた駅はグリンデルワルト・グルントだった。そこは記憶に新しいグリンデルワルトではない。どこかで間違えたか・・と悔しい思いで出会う人に手当たり次第聞きながら登り道をしばらく歩き、やっと見慣れたグリンデルワルト駅前に出た時はほっとした。
その時点では午後1時ころだったので、もう1ヵ所くらいハイキングを楽しみたいと昼食休憩で閉鎖中の日本語観光案内所再開を待ちながらホテルの自室で待った。
再開を待ちかねるように飛び込んだ日本語観光案内所で勧められたのは、フィルスト展望台までロープウェイで行き、帰りは途中のBort駅で降りて、そこからグリンデルワルトまでハイキングで戻ってくるというもの。フィルストは次の日に予定していたが、バッハアルプゼーまで往復のハイキングコースは積雪でクローズということで、最近出来て人気のスカイウォークを楽しんでも、グリンデルワルトまで午後4時ころには戻ってこられるらしい。
グリンデルワルト周辺にはこのようにハイキングコースが多いため代替案には不自由しないところが人気の一つであろう。
フィルスト展望台に決定
こうして午後からフィルスト展望台に向かうことにした。日本を出る時の計画で明日には
クローセ・シャイデック展望台~フィルスト展望台 2H
フィルスト展望台~バッハアルプ湖 往復 3H
フィルスト展望台~グリンデルワルト 3H
というもので、一日中フィルスト周辺を歩く予定だった。
従って明日の予定がぽっかりと空いてしまうが、これは戻ってきてから再び日本語観光案内所で相談することにして、とりあえずロープウェイ乗り場まで向かった。
グリンデルワルト中心部の地図(日本語観光案内所のHPより)
駅は一番下、フィルスト行きロープウェイ乗り場は一番上の左向き点線矢印
ローウェイ乗り場
上の地図で一番下から一番上までグリンデルワルトのメインストリートを歩いて見つけた
フィルスト関連ブログ情報
上記のように積雪のため諦めざるを得なかったハイキングコースを楽しんで帰って来た人の報告をネットで探したらかなり沢山あった。その中で紹介する価値があるものを選択して以下にリンクを張っておく。
2013年8月 TREASURE/トレジャー日記 フィルストからグリンデルワルトまでトレッキング
2010年9月28日 9月でも雪のため大幅な予定変更という似たような経験をした方の報告 elleとrikiの旅行情報 初めてのスイス旅行 フィルスト行きゴンドラリフト
その2
その3
その4
2011年10月23日 10月下旬には本格的なスキーシーズンとは! フィルストゲレンデ◆アイガーを臨みながら滑る
もう少し見たい方は末尾のリンクをどうぞ。
ロープウェイに乗っていざフィルストへ
グリンデルワルトの乗り場からすぐはこのように緑いっぱいの景色で、とてもフィルストからのハイキングコースが雪のためクローズになってるとは想像もできない。
ロープウェイに乗った直後
グリンデルワルト・フィルスト付近地図
途中ボルト、シュレックフェルトと2つの駅を過ぎて終点の駅フィルストに到着。
写真右端に写っている駅舎を出たところの景色。
歩きやすいように除雪されているが、それでもあちこちに積雪が残っている。
途中駅のボルトは帰路ハイキングコースのスタート地点なので、並行して蛇行しているハイキングコースを注意深く見た。それほど多数ではないが、絶え間なく歩いて下っている人影を見かけることが出来て安心した。
一応コースがクローズだと聞いていたシュレックフェルトからのハイカーも見かけた。ボルト~シュレックフェルト間は道に積雪は無くなっているものの、そのすぐ横にはまだ積雪があってクローズの判断がなされたようだ。ここで無理をすることは無いとボルトからのスタートに自分で納得させた。
ロープウェイのフィルスト駅から出たところ
上の写真で左方向に進む。
スキーシーズンにはゲレンデとして使われるのではないかと思われる広くなだらかな斜面がある。
フィルスト駅前はまるでスキーゲレンデ
さらにハイキング道を進むと道にロープが張ってある。バッハアルプゼーに向かうコースはここから通行止めということのようだ。
ところが少人数のグループがロープを越えて歩いて行った。成熟社会のスイスでは自己責任の概念がしっかりしていて、たとえ事故があっても運用責任者が責められることはないのであろう。日本とは大違いだ。
恐怖のスカイウォーク
通行止めロープを少し戻ったところに、最近出来て人気のスカイウォーク入口があった。
断崖絶壁の凹んだ部分にへばりつくように鉄製の通路が作られている。
下を見たら前に進めないような通路である。鉄製格子の上を歩くから下は丸見えである。持ち物を落としたらもちろん取りには行けない。幅は人一人がやっとすれ違うことが出来るくらいの狭さである。ただその造りは頑丈そうなため崩れ落ちる心配は無用のようだ。
あまり気が進まなかったが、ここまで来てこのままロープウェイで下れば何をしに来たがわからなくなる。この道を進めばフィルスト展望台がある。
思い切っておそるおそる進み始めた。人が少ないので他人をあまり気にしないで済むのが救われる。
恐々下を見るとすぐには歩けなくなる。ほとんどは岩壁に沿って進むように作られているのだが、一部につり橋のように岩の凹みをスルーパスしている個所があった。多分意識的に変化をつけているのだろう。
もうそこまで来ると引返せないような場所にわざわざそんなところがあるのだ。行けども行けども続くような気がするほど長い。そんな時に限って向こうから戻りの人がやってくる。こんな場所ですれ違いは怖すぎる。
断崖絶壁にへばりつくように設置されたスカイウォーク
スカイウォークからの眺め
それでも途中で勇気を振り絞り、iPadで断崖絶壁を撮影したのがこれ。今見ればそれほど怖いとは思えないのが不思議だ。
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閑散とした展望台&レストラン
凄く長いように感じたスカイウォークを何とか歩き終わり、ようやく展望台のレストランにたどり着いた。
写真を見てわかるように日本の山小屋の茶店レベルの施設ではない。しっかりした本格的な建物の中で、出している料理もしっかりしたものであった。
この写真撮影の時は晴れていたものが、この後から雲が出てきて山の天気の変化の速さを痛感した。
Bergrestaurant First
ガラガラのレストラン席
ハイシーズンになればこのテラス席も満席になるのであろうが、この日は数組のグループが食事をしていた程度であった。
谷底に吸い込まれるような花道
スカイウォークがよほど人気があるのか、歌舞伎の花道のように突き出して先にある小さな展望台に行けるようになっている。ここまで来た以上、やはり先っぽまで行くしかない。
花道先端からの眺め
その先っぽからの景観である。ほぼ360度遮るものが無い。先ほどまで太陽の光が輝いていた景色が急に雲がかかり、見通しが悪くなってきた。気持ちの良いお天気なら話は別だが、こんなところに長居は無用とばかりに元来た道を戻ったことは言うまでもない。
ロープウェイ乗り場に戻るためのルートが他にあるなら通りたくもないスカイウォークなのだが、皆さんが来た道を戻っていくのを見て覚悟を決めた。
手すりを握りしめながらソロリソロリと歩き、何とか歩ききることが出来た。
来た道を戻るのも恐怖
しかし途中景色を楽しむ余裕があるはずもなく、ちらりと見た断崖絶壁の恐ろしさだけが印象に残った。
帰路ボルトからのハイキングはあいにくの曇天
雲がかかってきたのでフィルスト滞在を早めに切り上げ、ロープウェイ乗り場から乗って2つ目の駅ボルトで降りた。
登りのロープウェイから見ていた通り、ここは雪も残っておらず緑がいっぱいである。駅前には家族連れのための遊具が整備されており、子供連れのハイカーの多さが窺い知れる。ここで小休止をとり、いよいよグリンデルワルトまで、この日二つ目のハイキングに出発である。
子供用遊具が整備された駅前
ボルトをスタートしたばかりのところだが、このように整備された道が続いており、これまでのスイスはどこもそうであったように、初心者一人の行動でも、迷ったり遭難する危険は著しく低い。日本でひとりハイキングするよりずっと安全である。
このコースの場合全コースがこのような道ばかりではなく、途中では山道のような岩がごろごろしてるような場所もあったが、標識がしっかりしており遭難の危険を感じたことは一度もなかった。
ボルトからの下りハイキング道
この日午前のブランデッグからのハイキングに比べ、曇り空だったこともあり、「アルプスの少女ハイジ」の世界を夢見心地で歩く幸福感は無かった。上の写真がこのハイキングの最後の写真であることが、それを物語っている。
グリンデルワルトに戻ったのはまだ午後4時ころであった。明日はいよいよグリンデルワルトでのハイキング最終日である。日本で立てた計画のフィルストを済ませてしまったので、どうするか日本語観光案内所で相談した。そうして決まったのが映画007で舞台ともなったシルトホルン(Schilthorn)2970mの展望台「Piz Gloria」であった。
(旅行日 2016年5月25日)
2007年8月29日 8月下旬でも天候不順な日々
スイスアルプス写真紀行フィルスト
2008年8月下旬 この日はお天気に恵まれたようだが、その前は不順な天候に悩まされている
Home Sweet Home ♪ フィルスト展望台~バッハアルプ湖へ
フィルスト展望台のゴンドラとハイキングの様子
2013年
ポレポレおじさん山ある記 フィルスト~ファウルホルン~ブスアルプ
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自由☆気ままな 旅時間 フィルストからハイキング
(旅行日 2016年5月25日)
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