予定変更し救急車でシャモニーに戻る(Change schedule and return to Chamonix with an ambulance)

2019TMB
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旅行日(現地時間)

2019年7月6日(土)

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降りたところはゴルフ場

工事用道路を下りながら消耗しきった体では踏ん張りがきかず、何度もずるずると滑り転んで全身砂まみれ土まみれという情けない姿になりながらも平地に降りることが出来た。

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先導役の女性に対して

こちらから一方的に後ろを付いて行きたいと言い、快く受け入れてくれた現地の女性に対して申し訳ないという気持ちと感謝の思いでいっぱいである。

それは冷静になってからのことで、その時はルートを間違えた責任を彼女に押し付ける気持ちが少しだけあったことを正直に言っておく。行先の確認はしたがそこまでのルートはいくつもある訳で全員がTMBのコースを歩くと勘違いしていた自分のミスが大きい。

滑落事故発生時は立ち止まり元の道まで上がりやすい移動ルートのアドバイスをしてくれた。元の道を歩き始めた時には自分のトレッキングポール1本を貸してくれた。さらにフレジュールの工事中ロープウェイ駅まで降りるまで案内してくれた。そこで別れたのだが疲労のピークでもあり、彼女に対する感謝の気持ちとお礼を述べたとは言えなかった。それはまだ気持ちの整理が出来ていなかったことから彼女に責任を転嫁する気持ちが残っていたのである。

彼女にしてみれば大きな迷惑だったはずで、自分の予定ルートを変更してまでフレジュールについてきてくれた親切に対し、もっと十分な感謝とお礼の気持ちを述べてから別れるべきであったと悔やまれる。名前も聞かず写真も撮らなかったので今となってはもう遅い。

バス停の場所を尋ねた男女が救急車を呼んでくれた

そこはゴルフ場になっていて見かけた何組かの歩行者にバス停の位置を尋ねながら進んでいった。そのうちの若い男女のペアがリュックを背負ってふらつきながら歩く姿を見て「酒を飲んでいるのか?」と聞いてきたので否定し、雪面で滑落して疲労してると説明したところ、どこかに電話をかけ始めた。それは救急車を呼んでいたのだ。そしてゴルフクラブ建物横の緑地を指して座って待っていろという。

GPSログ再掲

ゴルフクラブの建物横で救急車を待っていた場所の拡大図

リュックを下ろし芝の上に座って待つこと約30分くらい。救急車が来るまで休んでいるうちに落ち着きを取り戻し、ようやく体力も少しだけ回復してきた。ここに降りてくるまでは先を急ぐ気持ちが強く、短い休息だけで再び歩きだすという繰り返しだったのでまとまった時間休むことは無かった。



救急車到着

そうこうするうち救急車がサイレンを鳴らしながら到着した。日本と同じだと妙なところに感心。電話で呼んでくれた現地の若い男女は最初に隊員と少し話してから去っていった。

ドライバーの男性一人と救急隊員男女各1名という編成だった。そのうち女性が少し英語を話せたので主としてその女性との会話になった。最初に彼らがしたことは指にクリップをはめて酸素を測定することだった。多分直ちに救命措置が必要なほどの状態ではなかったと思われる。どこかと電話連絡して支持を仰いでいるようであった。その間パスポートの提示や事情説明を求められたのは言うまでもない。

何度も同じことのやり取りが繰り返された。すなわち医師の診察を必要としているかどうかの意思確認であった。休んでいる間に体力が回復してきたこともあり、こちらの回答はケガや病気はではないので医師の診察は不要であるということを繰り返した。早くシャモニーに戻って観光案内所で山小屋のキャンセルと今夜のホテル確保をしたいとも繰り返した。

救急隊員も困った様子で何度も同じ質問を繰り返し意思確認してくる。ここで病院行きを希望しなかったのは大きなケガが無く体力も回復しつつあるので最悪入院ということになれば、拘束されて今後のスケジュール調整が出来なくなるのではないかと恐れたのが最大の理由である。

そしてようやく出した結論がシャモニー観光案内所まで送ってやるから救急車に乗れということだった。

救急車でシャモニー中心まで移動GPSログ

スケジュール変更

今日と明日の山小屋予約キャンセル

救急車から観光案内所前で降りてBel Lachat予約でお世話になった高山事務所にまず向かった。予約してくれた女性スタッフは不在で男性スタッフに今夜のキャンセルを依頼した。

今夜と明日の2泊分のホテルを確保しなければならない。このままTMBを続けられるか体力の回復状態をみてから判断しようと考えた。山を歩くのは無理でもバスと鉄道を駆使してシャモニーの隅々まで歩き回る良い機会である。

続いて観光案内所に向かい日本語案内のヒカルさんに明日夜のHotel le Prarion予約キャンセルを依頼し、2泊分のホテル予約をお願いした。幸い歩き回るのに最適のメインストリートの真ん中のホテルが確保できた。しかもバスタブ付とは有り難かった。

TMBを継続するか?

とりあえずは2日分のTMB山小屋については宿泊予約をキャンセルし、シャモニー市内のホテルを確保した。

その後の計画をどうするかについてその間の体力回復状態から判断することにした。全身の疲労と筋肉痛だけなら回復すると見込まれたがトレッキングブーツの足首に当たる部分の痛みは残るような気がした。

TMBの場合は山小屋を連続して泊まり歩くためトレッキングブーツの痛みが残っていれば部分的に存在する緊張を強いられる難所もこなしながら予定通りの日程で歩くのは無理と思われる。

従って最悪の場合全部の山小屋予約をキャンセルしてTMBから離脱し、モンブラントンネル経由バスでクールマイヨールに移り、その後アオスタからチェルビニア(マッターホルンのイタリア側基地)まで行く行程に変更する。それまではシャモニー市内をバス・鉄道フリーパスをフル活用しながら歩き尽くすという思いもかけなかった贅沢な旅を満喫しようと気持ちを切り替えるしかない。

やっとホテルで落ち着く

滑落事故で衣服についた汚れを落とし、お湯につかり疲れ切った体を休めたいとすぐにホテルに向かった。観光案内所から数分、メインストリートに面してしかも真ん中とシャモニーを歩き尽くそうという目的にはピッタリのロケーションだった。

すぐに見つかったホテルは建物が古いが好立地で十分カバーできるものだった。ヒカルさんからの電話でチェックインもスムースに済ませ転がるように部屋に入った。汚れた衣服をお湯で洗い流してへやのあちこちにハンガーでつるした。バスタブにお湯を貼り久しぶりの入浴で生き返ったことはいうまでもない。

入浴を済ませごろりとベッドに横たわると徐々に気力も戻ってきた。あちこち痛いところがあるものの骨折でなく筋肉痛なので街中を散歩するのは、ゆっくりなら問題はなさそうであった。しかし転び方が悪かったようでトレッキングシューズの踝まで足首を覆っている部分が当たって痛いのでそろりそろりと身体傷害者のような歩き方になる。

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滑落事故で紛失したもの

部屋に落ち着いてからわかったことだが、荷物の整理して無くなっているものがいくつかあることに気が付いた。

その殆どが滑落事故時の転倒で谷底まで落下したものと考えられる。自分の身代わりで落ちてくれたと考えるとその恐ろしさにぞっとした。

ウォーキングシューズ
TMBガイドブック(清水氏著)
老眼鏡
ランチパック

シャモニーまでサブバックにトレッキングシューズを入れてカラビナでリュックに接続していた。そのサブバックにウォーキングシューズやランチパックなどを入れて歩いていた。その片方の足だけが無くなっていることにホテルについて初めて気が付いた。

まだ明るい夕方のシャモニーに出る

ホテルでバスタブに浸かりリフレッシュするとまず気力が回復しきた。本来ならウォーキングシューズに履き替え街に出たいところだが、片方の足だけしか残っていない。無くなったもう片方のウォーキングシューズは自分の身代わりで谷底に落ちたと考えられる。シャモニーでスニーカーでも買おうかと考えたが日本人の足は欧米の靴とは合わないことを知ってるので悩ましい。

気が付けば昼食抜きであった。Lac Blancでランチパックを作ってもらったが残っていたのはペットボトルの水だけであった。

そうだ今日は全く写真も動画も撮ってなかった

街に出ようとしてふと気が付いた。Lac Blancを出てからずっと写真も動画も撮ってなかった。そんなことを考える余裕が無かった。生きて帰りたいとそれだけ考えて平地のゴルフ場にたどり着くまで転びながら歩き続けた。

若い時から激しいスポーツをやってきて練習の後は歩くのも辛いという経験は沢山してきたが、今回のように真っ直ぐ歩けず酔っ払いと間違えられることなど無かった。

ホテルで風呂に入りやっと正気に戻り夕食を兼ね街を歩いてみようという気になった。iPhoneを持参して撮影しようという気になったのは少し余裕が戻った証拠だろう。

街の中心地図 再掲

ホテル前のメインストリート夕刻の人通り

シャモニー一番のメインストリート、しかもその中央付近にホテルがあった。ホテルを出てみると夕刻のそぞろ歩きの人並みが続いていた。

シャモニーのホテルリシュモン

夕暮れのシャモニーメインストリートを歩く

しばらく人並みを眺めてから上記「街の中心地図」で左から右に向かって歩き始めた。少しは街の雰囲気を味わってもらうため歩きながらの長撮りである。

トレッキングシューズの上の部分が左足に当たり痛くて速くは歩けない。

IMG_0096.MOV
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